この「無条件」と「条件付き」の仕組みがどれほど千秋楽の土俵をドラマチックにするか、2026年9月27日に行われた大相撲秋場所(九月場所)千秋楽の実際の選考結果を見てみましょう。
報道各社の発表によると、千秋楽の幕内取組前に開かれた三賞選考委員会では、以下のような決議がなされました。
- 敢闘賞(無条件):藤ノ川(新関脇で好成績をマークし、千秋楽の勝敗を問わず受賞確定)
- 敢闘賞(千秋楽勝利が条件):美ノ海、朝乃山、寿之富士
- 殊勲賞(千秋楽勝利が条件):高安
- 技能賞:該当者なし
この日、館内の視線を一身に集めたのが元大関の朝乃山とベテランの高安でした。中日新聞や日刊スポーツの報道によると、朝乃山は千秋楽の義ノ富士戦に勝てば、実に約7年ぶり(40場所ぶり・史上5位のブランク記録)となる三賞(敢闘賞)獲得がかかっていました。前日の14日目まで幕内最高優勝の可能性も残していた朝乃山にとっては、文字通り「勝てば200万円と復活の勲章、負ければ手ぶら」という大一番となったのです。
しかし、勝負の世界は非情です。千秋楽の本割で、条件付き対象者の明暗はくっきりと分かれました。平幕の美ノ海が見事に白星を挙げて条件をクリアし、新関脇の藤ノ川とともに敢闘賞を獲得(NHKニュース報道)。一方、朝乃山は義ノ富士に敗れて痛恨の連敗締めとなり、高安と寿之富士も千秋楽の壁を破ることができず、目前にあった三賞の権利は幻と消えました。
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