『秒速5センチメートル』を語る上で、山崎まさよしが1997年に発表し、アニメ版主題歌として起用された「One more time, One more chance」の存在を避けて通ることはできません。同曲は主人公が街のいたる場所にかつての面影を探してしまう執着と未練を極限まで歌い上げ、桜花抄から秒速5センチメートルへと至る連作アニメのクライマックスを決定づけました。
今回、実写版で提示された「1991」は、その伝説的な名曲に対する挑戦ではなく、「20年の時を経て大人になった私たちへの祈り」として見事な対比を成しています。過去に縛られ立ち止まる痛みを歌った山崎の楽曲に対し、米津の「1991」は過去を抱きしめたまま、それでも続いていく日常を一歩ずつ歩き出す受容の眼差しを感じさせます。
| 比較項目 | 劇場アニメ版(2007年) | 実写映画版(最新) |
|---|---|---|
| 主題歌 | One more time, One more chance | 1991 |
| アーティスト | 山崎まさよし | 米津玄師 |
| 楽曲の位置づけ | 既存の名曲を新海監督が熱望して起用 | 実写化のために書き下ろされた完全新曲 |
| 情緒とメッセージ | 届かない面影を探し続ける強烈な未練と執着 | 過去の痛みを抱えながら現実に踏み出す再生と祈り |
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