ユーミンの歌がキキの感情の輪郭を描くならば、コリコの街の呼吸と世界の奥行きを形作っているのは久石譲による劇伴(サウンドトラック)です。
なかでも名曲の呼び声高い「海の見える街」は、オーボエやアコーディオン、マンドリンを取り入れたヨーロッパの街並みを思わせる軽快なワルツから、キキが水平線を目にした瞬間に壮大に広がる旋律へと展開します。このダイナミックな音楽演出が、観客をコリコという架空の美しい港町へと一気に引き込みます。
また、イメージアルバムに収録され、井上あずみが歌唱したヴォーカル版「めぐる季節」の原曲としても知られるこのメロディは、成長に伴う迷いや哀愁を内包しており、作品の底流にある「少女期の終わり」というビターなテーマを豊かに補強しています。
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